ふうぞく嬢だけど恋人がいた方がいい
私は平日は会社員をして、終末はふうぞくで働いている。
ごりごりの店ではなくてソフト系の店で、ふうぞく嬢名乗るのも気がひける様な感じだが。
私には恋人がいない。
一年前に1人になった。
1人になった直後は、悲しくてあまり出勤してなかったけれど、去年の冬くらいから復帰した。
そこで、やっぱり思ったことだけど、ふうぞく嬢には恋人が必要な気がする。
趣味も恋人もない私は、平日5日は昼の仕事をして、日曜日はやらしい店のお姉さんという一週間を明る週も明る週も繰り返した。
来てくれるお客さん方。昼の真面目な自分。少しの給料の足し。
次回の出勤を聞かれるたび、予定のない私は、思考停止で次の週の日曜日と答えた。
平日も仕事終わりは日記も頑張って書いたりして。
あまり良くないという噂だが、ひとりひとりに親しみと感謝を込めて丁寧にお礼の日記をしたためたり。普段の出来事や考えてることを書いたり。
昼の仕事、日曜のお礼の日記、土曜はぐったりして、日曜はやらしい店のお姉さん
うれしい瞬間はお給料をもらったその時だけ
あとは無気力な毎日。
そんな毎日を過ごしていると、自分がなくなっていく様な感覚になったわけだ。
恋人や友達がいないからお話しできるお客さんを本当の友達や恋人に置き換える様な考えになる。
そうすると、ダメだ。
仕事として成り立たたず、プライベートに侵食する。
ずっとそのことを考えていると、面白みのない人間になる。
人間は多様な引き出しがあるほど魅力的に見えるものだ。
頭の中を占めるものが多ければ多いほど、執着する感じがなくて魅力的に見える。
平日の真面目な仕事と、週末のやらしい仕事しかない私は、それが全てになって、重苦しい雰囲気が私にまとわりついただろう。
恋人がいた時は、もっとあっさりとしていて良かったと思う。
恋人がいた頃は、日記には天気の話しか書かない様な感じだった。
お客はお客として、切り離していた。
仕事でうまくいかない日があったって、恋人に抱き締めて貰えると思ったらそんなに気にもならなかった。
そんなあっさりとした態度で週末の仕事をしていた。
最近はずっと私一筋だったお得意さんが、他の女の子と遊んでいるのを知ったり。
コロナの影響だと信じたいが、お茶を引く日が目立つ様になったり。
お茶を引いて来てくれないお客を恨んで、より一層変な気が付き纏って。
なんだか悪循環な感じがする。
最近は、お茶を引いていよいよメンタルが困り、緊急事態宣言にかこつけて1ヶ月ほどお休みをいただいている。
再来週は久々に出勤するが。
恋人や、大好きな趣味や、本音を語り合える友達がいたなら、もっとあっさりと、うまく頑張れるかもしれないのにな、と考えたりするわけである。